ご挨拶
第16回肥満と消化器疾患研究会 当番世話人
内藤 剛
北里大学医学部 下部消化管外科学 主任教授

このたび、第16回肥満と消化器疾患研究会を、2026年4月15日(水)に石川県金沢市「TKPガーデンシティPREMIUM金沢駅西口」にて開催させていただくこととなりました。
本研究会は、肥満に関連する消化器疾患の病態解明や予防・診断・治療の発展を目的として2011年に発足し、2014年以降は日本消化器病学会関連研究会として継続的に開催されてまいりました。これまで坂井田功先生、竹井謙之先生、池嶋健一先生をはじめとする代表世話人の先生方のご尽力により、着実に発展を遂げております。
一方で、近年、生活習慣や環境因子の変化に伴い、肥満は世界的に増加を続けています。肥満は糖尿病や脂質異常症といった代謝性疾患の温床となるのみならず、脂肪性肝疾患、胃食道逆流症、さらには消化器癌など、多様な疾患の引き金となることが明らかになっています。
今回のテーマは 「ストップ、メタボリックドミノ!」 といたしました。肥満を起点に「代謝異常 → 慢性炎症 → 臓器障害 → 悪性腫瘍」へと連鎖的に進展する病態は、まさにドミノ倒しに例えられます。この負の連鎖をいかに断ち切るかは、現代医療における最重要課題の一つです。生活習慣改善や薬物療法、さらには外科的介入を含めた包括的戦略が求められる一方で、治療の実際は決して容易ではなく、診療科横断的な集学的アプローチと多職種の緊密な連携が不可欠です。
開催地・金沢は 加賀百万石の城下町としての伝統文化が息づく美しい街です。兼六園やひがし茶屋街、近江町市場など多彩な魅力にあふれ、4月には桜も見頃を迎えます。学術的な交流とともに、春の金沢の風情も楽しんでいただければ幸いです。
本研究会では、肥満と消化器疾患に関する最新の知見を共有し、基礎から臨床まで幅広い観点から活発な議論を行いたいと考えております。春爛漫の金沢にて、多くの先生方と直接お会いし、貴重な時間をともにできることを心より楽しみにしております。
